PVCフィギュア改造作例(黒猫→うどんげ編)  ページ6
さて、3度ほど捨てサフとヤスリがけを繰り返しました。
もう疲れましたorz

再度仮組みして、全体のバランスやヤスリがけの粗などを確認します。

掌がまだやや汚いですが、それ以外は塗装に入れそうですね。
さて、塗装に入ります。

ジムスナイパーUの時にも紹介しましたが、当店ではエアブラシ塗装をしています。
エアブラシによる全体塗装は、文字通りパーツ全体が塗装されるため、素手でつかむことが出来なくなります。
そこで、目玉クリップやだるまピン(画鋲)などを駆使して持ち手を作ります。
百円ショップで安価に手に入りますので、大量に持っておくと、塗装以外にも使えて便利です。
塗装では前回のジムスナイパーUと被る項目も多いです。そちらの方が詳しく書いていることもあると思うので、そちらも是非参考にしてください。
実際塗装の工程は、ガンプラなどのキャラクターモデルとフィギュアは似ているところが結構多いです。
前回のジムスナイパーU編でも使った記憶がありますが、『Mr.カラー クールホワイト』を使用して、下地塗装をします。
美少女フィギュアの肌の発色は、塗装する上でもとくに難しい部分です。

グレーサーフェイサーの上に直接肌色を吹こうものなら、もの凄く血色の悪い顔になります。
黒い紙の上に色鉛筆で色を塗るのと同じ状況ですね。


なのでここは、全体的にクールホワイトを塗ります。

前回も説明しましたが、特に隠蔽力、発色の強い白なので、従来のホワイトの様に10層程度などという極端な重ね塗りを必要としません。
写真で3〜4層程度です。

これらを全てのパーツに塗っていき、統一性を出します。
さて、塗装で神経を使うのがマスキングです。
塗料が付かないようにマスキングテープという貼って剥がせるテープで覆ってしまう方法です。
これもジムスナイパーUの時と同じですね。
ですが、昨今のガンプラの様に、色ごとの細かいパーツ分けがない美少女フィギュアはこの作業が膨大になります。

写真は脚、ソックス部分を塗り分けしています。
ソックスはZun氏の絵と同様に白とし、その上で境界部分には、薄いグレーでグラデーション(影)をつけます。
ソックスに限らず、全てのパーツで影を塗装することで立体感が増し、『玩具』が一気に美少女フィギュア作品へと変わります。
美少女フィギュアに限らずですが。

基本的に、キャラクター物のフィギュアなどは前回同様に、明るい色から塗装していきます。
明るい色の上から暗い色を塗ると明るい色を隠蔽できるからです。
しかし肌色は下地の影響をもろに受けるカラーなので、今回は面倒かも知れませんが、重ね塗りではなく、いちいちマスキングのし直しとなります。

写真では、ソックスのラインに爪楊枝を当てて、マスキングを圧着させています。
隙間が出来ないように念入りに・・・。

圧着したラインから、デザインナイフでカットし、ソックスの部分だけ剥がしたら、マスキングは完了です。
今一度、マスキングの浮きが無いか確認しましょう。
また、パンツの今回は白にするので、同時に塗装すべく、いっぺんにマスキングしました。

また、マスキングのカットは、ナイフを深く入れすぎないように要注意。

『立体切り絵』とも言えるような、神経を使った作業が続きますが、見た目の変化が激しいので意外と苦には感じないかもしれません。
だからといって油断は禁物です。
イージーミスをしでかす前に適度に休憩などを挟みましょう。
ライトグレーで影を吹き、更にホワイトの重ね塗りで落ち着かせました。

マスキングを剥がすと、周囲の色の差で立体感が出ているのが解ります。

さて、喜んでばかりもいられません。
面倒かもしれませんが今度はソックスおよびパンツ側をマスキング、肌の塗装に入ります。
こういった回り道が作品完成度に跳ね返ってきます。

パンツの部分のマスキングラインを盛大に勘違いして大人用紙おむつみたくなってるのはご愛敬w
というか、製品の段階でここは配色ミスってました。
完全に隠れて、スカート下から覗いても絶対見えない部分なので、今回は見なかったことに・・・。
肌色の調色です。
美少女フィギュアでは特に気を遣うのがコレです。
キャラクターの個性に合わせてクールホワイトをベースに、クリアーのレッド、イエロー、オレンジを混ぜます。

影になる部分はややピンク気味にします。
ヌードモデルの製作になると更に2種類ほど肌色を作り分ける必要が出てきます。

ですが、なかなか一発で色が決まらないので、コピー用紙やケントブロック、プラ板などに試し吹きを繰り返し、色を作ります。
失敗した色が大量になる上、成功した色は後々のリタッチ修正、まさかの時の塗り直しなども含め大量に作らなければならないという矛盾もあるため、
かなり塗料を消費してしまいます。

吹いた時イメージよりもほんの少し濃いめに調色するのと、吹いたときにちょうど良くなります。
また、影の部分は調色した肌色を少し分けてもらい、それにクリアーレッド、クリアーオレンジ等を混ぜていく方法をとると、色に統一感が生まれます。
女子プロレスのスーツみたいに見えなくもないですが、とりあえずそこはスルーでw

ピンクで影になる部分を入れました。
影と言ってもフィギュアは光の当たり方が一定ではないので、腋など完全に影になる部分や、服の袖口などで圧がかかる部分、膝などの赤みが局所的に欲しい部分などにシャドー用のピンクを乗せていきます。

このままではホワイトとの色の差がバキバキになっていますが、この上からなじませるように、全体にメインの肌色を乗せていきます。
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