ジム・スナイパーU説明書完成写真風作例  ページ1
どうも。ブルーレット奥田です。
この度、友人から「オマエの店が何で大量生産品と比べて高額なのか解らない」という暖かいご指摘を頂きました。
ごもっともかと思います。
一般的な感覚であれば1500円程度のプラモデルに10倍や20倍という莫大な製作工賃がかかる事を疑問に感じられる方がほとんどかと思います。
また、昨今では3Dプリンターの一般化や、海外生産の大量生産品などにより、完成度の高い作品がお求めやすい価格になっているのも事実です。

「一度プラモデルがどうやって仕上げられるかを分かりやすく解説してみると良い」というご意見も頂きましたので、
今回は、そんなに難しくない一般的なプラモデル、いわゆる『ガンプラ』を製作します。当店での一番お安い製作コースをご覧下さい。
箱や説明書の完成写真でみられるクオリティでの仕上げです。未改造、フル塗装、パーツ合わせ目消し、程度の仕上げとなっております。

今回使用したのは『HGUC 1/144 ジム・スナイパーU』です。
納期は余裕を見て1ヶ月ですが、実質10日かかっていないと思われます。

全く同じプラモデルを、プラモデル製作ほぼ未経験の家族に無理矢理作ってもらい、比較としています。

※ご注意 同じクオリティでの製作でも、使用キットの難易度やパーツ数などの要員によって値段や納期は大幅に変動します。
詳しくはメールにてご確認下さい。


分かりやすい解説かはわかりませんが、極力、プラモデルに全く触れたことのない方でも解る解説を目指しました。
長文になりますが、お付き合い下さい。

さて、今回製作するのは、『バンダイ』さんより好評発売中の『HGUC 1/144 ジム・スナイパーU』です。
過去に発売された『HGUC 1/144 ジム・コマンド』と共通するデザインの部品にも改良が加えられ、可動範囲の向上、塗り分けの手間の低減などがされています。
素組み(塗装、接着などをしないで、そのまま組み立てるだけの事)での完成度も高く、未改造でも可動範囲がそれなりに広いので、
完成後も遊べるキットと言えます。
一般リリース仕様にはドラケンEが、バンダイ通販限定仕様ではホバー指揮車両やバルカンポッド、100mmマシンガンなどがオマケで付属します。
今回製作に使用したのは、一般リリース版を2つですね。
思ったよりもパーツ同士の継ぎ目は少なくなっている印象ですが、HGUCシリーズですので、更に敷居の高いMGシリーズと比べると、やはりまだまだ継ぎ目消しや、色の細かい塗り分けなど、キレイに作ろうとするとやはり様々な作業が要求されます。

まずは、ぬるま湯に中性洗剤を入れた物を用意します。これに全てのパーツを漬け込んで、歯ブラシなどで磨きます。
これは、工場出荷の段階で、プラスチックを金型から剥がす際に離型剤という油が塗ってあります。
フライパンのフッ素コートや、クレ556の様な潤滑剤を想像していただけると分かりやすいかと思います。
そんな物が着いていたら、いくらプラスチック専用塗料でも食いつきが良いワケがないので、これらを洗い落とすところから始まります。
パーツ全面を洗い終わったら、そのまま石鹸水に漬け込み、1日ほど放置します。
放置後は、しっかりと大量の水で洗剤を洗い流します。残ると塗料が乗らないなどの、トラブルの元です。
しっかり洗われたパーツは指でこすると、キュッキュッと引っかかりを感じると思います。
コレが本来のプラスチックの表面というわけですね。

まずは家族に(プラモデル製作経験、ガンプラを素組みで2回程度。)無理を言って一箱つくらせます。『水曜どう○しょう』を見ながら大体6時間程度で組み上げていましたね。
ゲート(部品と枠が繋がっている部分)の処理もニッパーのみというお手軽仕様なので、サクサクです。

今回、家族が作った素組み版には、カラーシールで仕上げてもらいます。頭部側面のレーダーの青いラインなどがそうですね。
ちなみに奥田の作例では、こちらも塗り分けとなります。

こちらは奥田の作る『説明書仕上げ』です。ゲートもデザインナイフで処理し、後の作業量を極力減らします。
パーツそのものをえぐってしまわないように注意。

パーツ同士の合わせ目にヤスリをかけます。こうすることでパーツの合わせ目同士のゆがみを無くし、均一に噛み合うようにします。
また、パーツの合わせ目消しの前段階として、貼り合わせ目同士を軽くケバだたせます。
こうすることで、接着剤がよりなじみやすくなります。

このプラモデルは、接着剤が無くてもはめ込むだけで作れる、いわゆる『スナップフィットモデル』なのですが、パーツ同士の僅かなズレをなくすため、スナップフィット用のピンは全て切り落とします。

接着剤はやや多めに、両パーツの貼り合わせ目に塗っておきます。
張り合わせるとこの様に、接着剤と溶けたプラ成分がはみ出してきます。
スナップフィット用のピンを切っておいたので、この段階でムニムニとパーツ同士をスライドさせてやり、各パーツ同士のズレを補正していきます。

こちらはちょっとはみ出しすぎの例です。が、これも慌てず処理します。とりあえずこの状態で、数日放置します。
接着剤も薬品の乾燥なので、乾く時に『肉痩せ』し、縮小します。
あまり慌てて処理してしまうと、折角消したパーツ同士の貼り合わせ目が、乾燥と同時に復活してしまうので、ここはじっくり乾かします。
季節と湿度によりますが、1日〜7日程度放置します。
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