マックスファクトリー 1/350 チェルノ・アルファ製作・改造
映画 パシフィック・リムより 第一世代イェーガー チェルノ・アルファ

映画劇中では格納庫か海を歩いての戦闘しかなかったチェルノ・アルファ。(ゲームではもっと活躍するみたいですがすでに配信終了)なのでベースをどうするかはけっこう悩みました。
検索かけるとこのキット自体はけっこう作られてる方が多いので、他人と同じことはしたくないなぁと・・・。結果、建屋をまるごと一つ作るという暴挙に出た作品となりました。
映画ではこのハンガーも長い廊下のようにになっているので、市販のカラーボックスに収まるよう適度に情報量を圧縮して、模型映えを目指しています。

映画でもチェルノ・アルファ登場シーンは煽りで見上げる構図でした。実際には1/350というと実現不可能なくらいの超巨体だと思われるので、その圧倒的な威圧感とスケール感は出したかった作品です。

もちろんチェルノ本体はベースから取り出しも可能で各関節が可動します。塗装は下地をまずスーパーファインシルバーで塗装し、整髪剤のケープでコート。その上から艦底色を塗装してレッドサフの代用とし、
シャドーと表層のグリーンへと続きます。塗装後はエッジの部分をナイフや60番のヤスリなどで削ってチッピングしています。するとちょうどよくケープの層まで剥がれます。
今回は1/350というスケールなので、あまりバキバキに剥がしすぎるとスケール感を損なうので、チッピングは各箇所を極小範囲にとどめています。
アルコールを使うよりナイフで剥がすほうがきれいに剥がれる印象ですね。また、ケープと言えば塩ケープ塗装ですが、塩を使うと大味になりスケール感を損なう原因になると思ったので、今回は塩を使っていません。

このキット、最近では珍しく本体には電飾キットが標準装備されています。塗装、組み立ての際は特に光漏れに注意して『遮光ブラック』で裏打ちしています。

映画では香港の海岸線を防衛していたので、水の垂れをメインにウェザリングしています。軍需兵器類は錆を極端に気にしてすぐに処理するので、錆は極力入れていません。
当たり前ですが、想像しうるウェザリングを全て入れるとやりすぎな感じになってしまっていたと思われますので、チッピングと排熱による焦げ程度と・・・的を絞ったウェザリングにしました。

今回は、1/350という事もあり、「実際にこんな物が実在したらもっとモールドなどの情報量は多くなるはず」と考え、間延びする箇所でモールドを追加しています。
また、背面などでは一部説明書を無視して塗り分けパターンを増やすことで、情報量を底上げしています。

デザイン的なものもあるのでしょうが、このキット何が凄いって、膝が単一関節にも関わらず無改造で膝立ちが出来て、しかも安定自立します。

今回はそこに更に、股関節の可動も追加して、肩の軸が膝立ちでも水平になるように改造しています。


足は真ん中のモールドで一度切断。中には2重関節のジョイントをプラ板でスクラッチしたものを入れて、引き出すとカカトが上下に可動するように改造しました。これで接地性も向上しています。
また、カカトを通常位置に戻す場合はカカトを引っ込めるともとに戻りますが、その際もネオジム磁石で固定されるようになっています。
更に、つま先には大型のネオジム磁石が入っており、専用ベースや金属の机の上では絶大な安定性を発揮します。

肩は劇中にもあったギミックとして、引き出して延長を可能にしました。こうすることで従来のキットには無かった肩の前後のスイング可動が可能となりました。ガードやフックのポーズが新たに取りやすくなっています。
また、肩の合計8つの穴はディスペンサー兵器と判断し、HiQ様の『GLEP』で蓋を追加しました。

この機構を新設するために、肩関節のレールを『パーツ注文不可の本体LEDユニット』を貫通させるというなかなかに怖い改造をしています。

太もものスリットは裏から彫刻刀やのみで削って開口。裏から『ハセガワモデリングメッシュ』を貼っています。その裏にもさらにライターパーツやジャンクパーツなどでディティールを追加しているのですが、メッシュの反射光が思いの外強く、ほとんど見えなくなってしまいました。

スネの前側のスリットは、斜めに可動しそうな蓋のような装甲があるデザインだったのでそれを追加。両サイドに出来る隙間が気になったので、こちらもライターパーツを入れています。
しかしこれも塗装するとほとんど目立たなくなってしまいましたね。

肩の裏側がスカスカだったのですが、肩スイング関節を入れると余計に目立ってしまう結果となったので、クラッチの様なパーツをプラ板で削り出して追加しています。

頭の上は、劇中でもかなり描写の細かいところでした。特にパーツやディティールを足すということはしていませんが、細かく塗り分けてやることでけっこうにぎやかになります。




肘は90°くらいまでしか曲がらなかったのですが、関節をプラ板などで追加。完全に曲げるとちょっと関節に隙間が空いてしまうのですが、肘が90°以上曲がるようになり、より格闘っぽいポーズが取りやすくなりました。
写真にも書いてありますが、90°以下ではロック機構があり、肘がブラブラになることを防いでいます。可動軸は実はMGザクのパイプの余りを使用し、それにプラ棒を突っ込んだだけです。
本来なら曲げた後に隙間が開くことを考慮して、関節内部に蛇腹のようなディティールでも追加するべきなのですが、パンチの差し替え機構によるポリキャップが内蔵されているのでそれは諦めました。

劇中でもあった飛び出すパンチはパーツ差し替えになっています。ここもグレー成形一色だったのですが、細かく塗り分けてやるとぐっと見栄えするところです。特にシリンダー部分は短冊状に切り出した『ハセガワミラーフィニッシュ』を貼って油圧シリンダーの様なメッキ感を出しました。
拳の甲にある3つの穴はパンチを加速するスラスターと判断し、手芸屋さんのカシメ玉でディティールアップしています。

ベースは基本的に木材をベースとして、プラ板の箱組みや積層です。背面の鉄扉は壁ごとネオジム磁石で着脱が可能です。
これでチェルノ・アルファ本体を格納しやすくなりました。

ベースは当店オナジミサンの巨大電池ボックス。9V電池2個が入っています。舗装ラインは、◆Su-33◆2016ミクレーシングの時と同様、カッティングプロッターによるマスキングシートの切り出しでマスクしていますが、塗装はエナメル塗料のエアブラシで塗装し、乾燥したら部分的に拭き取るという形でラインのカスレを再現しています。

作業車などはプラ板の箱組によるスクラッチ。この後3Dプリンターを導入して、こういう簡単な箱型形状の造形には非常に効果的であると知り、もっと早くに知りたかったと・・・・。
リフトに並ぶオレンジ色のフックは、同じものを16個揃える必要があったのでここは3Dプリンターを使いました。こういう同じ小さい部品を大量にと言うのは、3Dプリンターの十八番と言えますね。

今回は1/350ということで、艦船モデルの汎用ディティールアップパーツを多用しています。
やっぱり人が入るとチェルノ・アルファを筆頭とするイェーガーの圧倒的な大きさがわかりやすくなります。

屋内クレーンは、映画に登場する形状を簡易的にスクラッチ。ただ、置き場所がかなり制限されてしまったがため、配置は原作とは似ても似つかないかも・・・。
ワイヤーには0.8号という極細の黒いテグスを使用しました。

静止画では伝わらないのですが、オレンジの警告灯はトランジスタを2個使用し、点滅します。これは◆ゲンバッガイ◆フランク・イェーガーなどでもやっていた電気工作ですね。
クレーンには、ライター部品でそれっぽいものを改造して吊らせています。

投光器も発光します。発光するのでもちろんベースからは動かせませんが・・・。投光器は余ったガンプラのバーニアにHアイズを貼っています。
中に極小チップLEDを入れています。下から煽りで照らすとチェルノが本当に映画のシーンの様な雰囲気になったのは今回一番大成功だった気がします。
今回は『細かいパーツ単位でのシーン再現』というよりも『光のコントロールによるアトモスフィアの再現』という方向で大成功だったと思います。

天井のライトは高明度チップLEDを5発使用。上に向けて投光し、遮光も兼ねたアルミテープに反射させて間接照明とし、天井内部全体に光を拡散しています。
また、司令室は青色LEDで発光。壁面も、ウォームLED4発を光ファイバーで飛ばして階段などのライトとしています。
毎回ですが、やっぱりこの大量の光ファイバーを封入し、製作中に壊さないよう管理するのが一番大変だった印象です。

これがやりたかった、照明全アウトで、電飾の明かりだけで撮影したチェルノ・アルファです。映画の格納庫の光の雰囲気がよく出た満足のワンショットですね。
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