コナミコンピューターエンターテイメントジャパン メタルギアソリッド より   ヘビーゲイジ ガレージキット『サイボーグ忍者』改造
1/6フランク・イェーガー

全体で5箇所がLEDで発光・点滅します。具体的にはバイザーカメラ、小型メタルギアセンサー部分、医療用マルチスキャナー、医療用機材ディスプレイ、クレーンの警告灯です。

クレーンの警告灯はこちらのほうが見やすいです。唯一クレーン警告灯のみ点滅します。
医療用スキャナは高明度LEDを使用し、強い光を出します。フランクの顔を強い光で炙ることで、拷問的な雰囲気としています。

もっとも構図がわかりやすいのが正面の図かもしれません。
フランク自体はクレーンで宙吊りとなっているため、太腿などは一切接地していません。

バイザーは取り外しも可能。電極端子の抜き差しでバイザーを固定していますが、十分な保持力があります。
取り外したバイザーは医療用マニピュレーターに持たせておきます。
カラーリングは、pygmalion様の同キット作例を参考にモノトーンカラーとし、ライジングの量産型サイボーグとの統一化を図りました。
プロトタイプボディの完成後、この量産型ボディを製作していたクラーク博士ですが、フランクがクラーク博士を殺害し施設を脱走したときに使用したボディが
たまたまプロトタイプしか使えなかったため、本編登場時はあの派手なカラーリングだったと設定すると辻褄が合うかと思われます。
また、ここで作りかけの量産型ボディが愛国者達の手元に残ることで、後の雷電やライジングに繋がるストーリーとなるのでは?と考えました。

医療用ディスプレイです。これはプラ板にデカールを貼り付けたものを、光を拡散させたLEDで裏から照らしています。
その関係で、LEDから画面まで距離を置く必要が出てしまい、結果ディスプレイは分厚い物となってしまいました。
ですが、よく考えればフランクが改造されたのは湾岸戦争直後ぐらいの時期と考えられ、そのころの小型PCはこのくらいの大きさが普通にあったため、
「これはこれでアリか」という結論に至りました。

側面です。「メタルギアの世界をどう表現するか?」を考えました。クラーク博士は女性なこともあり、フランクを自力で運べることは無いと考え、この様なベースとしました。
完全な『俺設定』ですが、数機のみ試作された小型メタルギアを引き取り、それに医療ロボットのアームと、建機用の小型クレーンを取り付けて、サイボーグ素体を自力で運ぶ力など
持ち合わせないクラーク博士の意のままに動く作業台という様な設定です。
また、クラーク博士は日本贔屓ということもあり、クレーンは日本製という設定としています。
なお、MGS2でサイボーグ忍者の素体を製造していた、あの『トクガワ』のグループ会社という設定です。

03と入っているので、この小型メタルギアは試作3号機ですね。
フランク自体はレジンとエポパテの巨大な塊で、非常に重量があるため、メタルギアは『駐機状態』という設定とし、後部にアウトリガを取り付けています。

クレーン背面です。メタルギアがほぼプラ板の箱組なのに対して、クレーンはほぼジャンクパーツの組み合わせです。
各部シリンダーにはメッキ調の特殊なシルバー塗料を使用しています。

胸像のトルソもでるだったので、左太腿・左上腕はエポパテによるスクラッチです。
フランクのマイナスネジにはHIQ様のマイナスモールドに変換。フランクの内臓はタミヤ様のメッシュパイプや、ガンプラのジャンクなどで作っています。
医療用アームのネジ部分にはベアリングをねじ込んでディティールアップしました。
ピクト系のコーションが入ると、その製品の生産国などが明確となります。また、敵から発見される事を避ける軍用のコーションマークと異なり見た目が派手なので、その点もパーツごとに差異を設定すると、よりメタルギアそのものにもリアリティと『つぎはぎ感』が出ました。

このキット自体にはデカールは付属していなかったので、今回はA4一枚分のデカールを自作しました。

上の写真と一見すると違いが分かりづらいですが、脚部の装甲が無駄に可動します。
内側にはトラス構造も設定しました。関節部分などはガンプラなどからの流用です。

医療用スキャナーです。
こちらは100円ライターの部品などを使うことで、精密さを出しました。
また、元々はレドームレーダーの汎用パーツだったので、『それらしく見えない』ように、カーボンルックのセンサーや、細かな色分けを追加しています。

クレーンは、それだけではフランク自体の体重を支えきれないと判断したため、3mm真鍮線で突っ張り棒を追加しています。
こちらも、不自然にならないように、スライド式の油圧ジャッキの様なパーツとしました。

バイザーのアップです。目の部分にはOHPフィルムを貼り、クリアーブラックで塗装しています。
各部サブセンサーはHアイズに置き換え。メインカメラ部分は3mmLEDそのものですが、LEDも少し頭を削って短くしています。

顔はラッカーの筆塗りににエアブラシで肌色を上乗せして仕上げました。
目はキットでは黒目のモールドもあったのですがこれを改造。設定の通り右目を義眼としています。
頭部のリベット(バイザーに対する神経系のセンサーか端子と推測)はHIQ様の1mmネオジムマグネットです。
これにより、リベットの角が立ち、ベアリング以上の精密さが出ました。しかし、押し込むときに塗膜が割れるトラブルも発生しています。
クレーンのクローはガンプラなどのジャンクです。

バイザーは、医療用アームに持たせる関係上、裏側も作っています。基本的にはジャンクを貼っただけです。

医療用マニピュレーターです。指などはなかなかいいパーツがなかったので、スクラッチしてレジン複製しています。
マニピュレーター中央部には、対象物との距離を測るレーザーセンサーをつけました。こちらもHアイズですね。

メタルギアの上部は、本来武装用のハードポイントですね。こちらが各種のコンソールやアーム類の接続ポートとなっております。
実際に電飾関係はこちらから電源を引いています。
また、各アームの関節はネジ止めによって硬さを調節していますが、+ネジが丸見えではスケール感を損なうため、ジャンパーツのネジを両面テープで貼って塞ぐことにより、露出を防ぎました。

メタルギアの対地表センサー(顔)の下に電飾の電源スイッチを隠しました。これにより電源ON・OFFは容易で、各LEDは個別に点灯可能です。

機体下部です。「モールド・ディティールに困ったときのトラス構造」をプラ棒で追加。
脚部にはガンプラのジャンクの他、ダンパーの様なパーツも取り入れ、ガンプラの1/100や1/144スケールに見えないよう心がけました。

本体下部のトラス部分は引き出し式になっており、ボタン電池ボックスが入ります。
「これで電池交換が簡単に!!」という事を想定して予めこの機構を取り入れたはずだったのに、全然電池交換が簡単じゃなかった。

床には当店お得意の『モルタル床ベース』にて、『愛国者達の秘密施設』を再現しました。
また、血跡は実際にはクラーク博士による人体実験の跡なのでしょうが、ここはMGS3のヴォルギンの拷問部屋もオマージュしています。

クレーンからも何かのケーブルが出ている演出です。
ただリード線ばかりでは単調になるので、少しいろいろなケーブルを混ぜています。
また、各部のオイル汚れは、ウェザリング専用のAKカラーを使用しています。本来はオイル汚れ再現用の塗料で、ここまで各部でオイルやグリスが漏れていると、機会としては完全に
欠陥品なのですが、今回は『機械から滲み出た血液』という様なホラーテイストな作品としたかったため、ちょっと過剰気味に演出しています。

フランク自体は5点で保持されており、接着剤を使わなくとも極めて強力に保持されています。
MGSファンの方はお分かりかもしれませんが、骨盤部分にはあのジャンクパーツが・・・・。

クレーンの操作系コンソールです。実は初代PSコントローラーをオマージュしたコンソールになっています。

メタルギアは実際に兵器で、機動力が求められるであろうため、脚部には1/24のカーモデルよりタイヤを拝借。『クリスティー走輪走行方式』としました。

メインカメラ発光の電源は実はクレーンブームではなく、背部から出しています。
こちらは、攻殻機動隊からのオマージュですが、あれとは一線を引くため、首筋ではなく腰椎から引いています。
キットの腰椎装甲を一度完全に削り、フタはスクラッチし直しています。

別の完成品『サイボーグ忍者』のレーザーガンをジャンクとして使用。Hアイズでガンサイトなどをディティールアップ。
また、セーフティリボンを自作して追加。本来は空軍機などで見る演出ですが、これがけドロドロに汚れたメタルギアに対し「こちらは新品」という事を強く印象づける目的で取り付けました。

各アームはレジンで複製。可動はするのですが、これでけのレジンはかなりの重量となり、実際各部に無理がかかっている状況です。
そのため、肘(?)関節は、市販のABS関節を2列横並びにして保持力・関節強度を強化しています。

制作過程です。白い部分が基本的にプラ板。黄色がレジンです。
フランクもキットの部分がわかりやすいです。
肩アーマー中を中空にするという目的の他に、リアルな人体に合わせる意味でも一度完全に切断して切り離し。エポパテで改造しています。

こうしてみるとジャンクを使った部分も黒やグレーで一目瞭然です。
Konami Computer Entertainment Japan, Inc.様のMETAL GEAR SOLIDより、『サイボーグ忍者』でお馴染みフランク・イェーガーです。

こちらは、ヘビーゲイジ様より販売されていた腕無し脚無しのトルソモデルのガレージキットを元に、改造(もといフランク以外ほぼスクラッチ)したものです。
「トルソモデルということを逆手に取って、製作途中のサイボーグにしてみては?」という発想で作ってみたら予算・期間・展示スペースが膨大なことになってしまいました。
クラーク博士に改造されている最中の、『愛国者秘密施設内』でのシーンを想定しています。時系列ではシャドーモセス事件の前、クラーク博士殺害の直前くらいです。
フランクはバイザーの取り付け・取り外しとメインカメラのLED発光を両立。
外したバイザーはマニピュレーターに持たせることが可能です。
上腕・太腿・骨盤・内臓はスクラッチ。
ベースの小型メタルギアは、極力物語の設定とぶつからないよう、オリジナルのものをジャンクパーツとプラ板でスクラッチ。
各アーム・マニピュレーターはスクラッチしたものを複製して使用しました。
アームはある程度自由に可動してポーズが可能。ネジ止めでロックが可能でしたが汚し塗装が固まってバキバキに。
小型試作メタルギアやアームを含み、全5箇所が発光。点滅。小型メタルギアのボディ内に電池を格納できます。
個人的にはメタルギアの世界観の他に、尊敬する竹谷隆之先生や(故)韮澤靖先生の作風を参考とさせていただきました。
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