PVCフィギュア改造作例(黒猫→うどんげ編)  ページ2
まずは顔パーツの後ろに石膏粘土を盛りつけます。このまま固めると、基本的にPVCに石膏粘土は食いつかないので、それを利用して、乾燥後は顔パーツのジョイントの形にポロっと取れるというわけです。
ただ、乾燥を焦ってこのままオーブンに突っ込んだり、ヒートガンで炙るような事はしないように。石膏粘土やパテだけならそれで固まりますが、PVCは確実に溶けてしまいます。

乾燥後、後頭部パーツはポロっと綺麗に取れました。しっかりジョイントの形状もスタンプ出来ています。
しかし、顔パーツと後頭部のジョイント部分には空気が入って隙間が出来てしまいました。
乾燥の肉痩せも原因の一つで、なかなか一発できれいに決まるという事はないでしょう。
ここは石膏粘土を再び盛りつけて、同じようにスタンプすれば補填できます。

コレに同じく石膏粘土で髪の毛の形状を盛りつけて、後ろ髪を作ります。
また、一度乾いた石膏粘土には、同じ石膏粘土でもなかなか定着しません。なので、乾いた方の表面にも霧吹きなどで水をかけながら作業するとよいでしょう。
石膏紙粘土を使う方法は、PVCから完全に独立した単体パーツを作るときや、大きいパーツのかさ増しなどに効果を発揮しますが、銘柄によっては重量がかなりあります。軽量化との兼ね合いもお忘れなく。

石膏粘土やエポキシパテのみで構成されたパーツ(プラやPVCを含まない)は、オーブンで強制乾燥できます。ですが、通常のオーブンでは火力が強すぎるので、30秒〜1分ほどで必ず様子を見ながら作業しましょう。焦がしたら脆くなってしまったり、最悪火災の危険もあります。
火の元の取り扱いは自己責任で、十分にお気を付けてください。また、食事用とは別に用意することを強くお奨めいたします。

なかなか一度では中まで乾燥しません。
30秒3回など、回数を分けてゆっくり乾燥させましょう。
火傷には十分注意して、小さいお子さまは必ず保護者の方とご一緒に工作してください。

さて、おっぱいにブレザーの襟が埋もれてしまったので、それらのデッサンを書き入れていきます。

デッサンは普通のシャープペンシルで書き込み可能ですが、消しゴムをかけようとすると無駄に黒ずむ事があります。
また、プラスチック消しゴムはプラスチックなどの樹脂パーツや塗装面を浸食する場合があります。
消しゴムのカスの残りには要注意。
消しゴムをかけるくらいなら、軽くヤスリがけして落としてしまった方が、今後のヤスリがけの手伝いにもなって効率がいいです。
この写真の段階で400番のヤスリではまだまだです。
現状では180番程度の粗いヤスリがけでもいいですが、400〜600でもデッサン跡は簡単に消えます。

更に電動リューター(歯医者さんで使う様なドリル。モーターツールなどとも言う)で全体の形状を出していきます
また、荒削りの行程をこれでかなり短縮できます。安くて20000円程度と高価な道具ですが一本あると値段以上の大活躍をしてくれます。
奮迅が結構舞うので、マスクやゴーグルを忘れずに着用しましょう。
これは、肩の縫い目にそって、再び腕を切断しているところです。胸元の塗装や、ヤスリがけの邪魔になるので塗装後にまた組み立てる事になります。
当然ですがこの辺のプランも自分で考える必要があります。

ちなみにこの工具は、タミヤさんから出ている組み立て式のエッチングソーですね。
デザインナイフの柄にアタッチメント可能な極小ノコギリです。
便利ですが曲げてしまわないよう注意。

ネクタイ、襟をパテで作っていきます。棒状にこよって細く伸ばしたパテをデッサンに遇わせて乗せていき、スパチュラで成型。
外側のはみ出た部分はデザインナイフなどで切り落とすと、シャープな襟が出来上がります。
内側に向かっては、スパチュラで成らしていく感じです。

定着しない場合は、瞬間接着剤などをたらして、柔らかい状態のパテを定着させてから整形すると良いでしょう。
ここはゼリー状瞬間接着剤が効果を発揮します。

さて、前髪を製作していきます。折角なので以前分解した前髪を使います。
前髪から裏のジョイント部分を綺麗に削り落としたら、プラ板に瞬間接着剤で前髪を貼り付けます。
プラ板も簡単にクニャクニャ曲がってしまう薄さの物は避け、今回は0.5ミリを使用しています。
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