1/12 リトルアーモリー M2重機関銃M63AAマウント改造
M2 重機関銃 M63AAマウント  

今年(2018)で設計開発より100年の節目を迎えるM2です。第一次大戦の終戦時はまだ市場に出回っていなかった様ですが、第二次から今に至るも世界の軍隊で使用されている、まさに『鋼の老兵』です。今回はそれに相応しく、重厚感のあるメタリック塗装と、過剰すぎるほどのウェザリングに拘ってみました。

全体像です。過去作品である◆M134ミニガンとシリーズを統一したディスプレイモデルとしました。
そのため、石粉粘土によるディスプレイベースと、ウィキペディア様よりマル取りのスペック、アルミ製ネームプレートで統一しています。
M2のウェザリングに合わせて、ベースやネームプレートもM134以上に派手に汚しました。

こうして弾薬が見えるカットですと、汚しや金属パーツの多用、弾薬の色味、チェーン追加なども相まって、思った以上に賑やかな作品となりました。
グリップは同型でウッドグリップ・樹脂グリップとあるのですが、年期を感じさせたかったことと、違った質感を取り入れたかったため、筆塗りでウッドグリップを再現しています。

弾薬は前回同様柔軟素材でしたので、ソフビカラーにて塗装しています。

1/12スケールというのは、M2にしては破格の大スケールキットの部類に入るでしょう。しかし、『フィギュアで遊ぶ用』なので、強度や金型の問題から、ディティールは調べれば調べるほど、意外とガバガバでした。(どっかリトルアーモリー用のエッチングとか出してくれないだろうか?)

開口する部分を開けて、あるべきボルトやチェーンなどを追加し、一部ディティールを精密化してやるだけでも一気に化ける、上級者に対してもある意味で優良キットです。
M2は自衛隊にも多数配備されているので、資料はまだ比較的簡単に集められる方かと思います。
サビは、赤錆のメタリック塗装をラッカーで下地に塗装し、オリーブドラブやメタルブラックのラッカーを上に吹いています。
その後、上層のラッカーだけをふき取るというテクニックを使用しています。どうやったらラッカーを一層だけ洗い流せるのかは企業秘密ですw

M63AAの脚の先端は、鉄パイプとなっており穴が空いています。また、潰れるのを防止するため心材が入っています。
これらはオミットされていますので、開口してプラ板で再現。
「足下を見る」とは言いますが、汚しが入ると目立ち始めるので、是非やった方が良い加工ですね。

ネームプレートは、錆びて塗装が浮き上がった状態を再現。よくあるアルミ箔を貼る方法ですね。
ちなみに、プレート材もアルミ板を使用しています。

サイトは、本当はエッチングに置き換えを計画していたのですが、お借りさせていただいた高出力レーザーでは熱が高すぎて、ステンレス板がベコベコに曲がってしまいました。結果断念。
蝶ネジはプラ板で製作しました。
チェーンは手芸用の一番細い物を使いましたが、まだオーバースケール気味ですね。
アウターバレルはメタルブラックにスーパーファインシルバーを少々足して質感の違いを出しました。明るくなりすぎないよう注意。
また、クリアカラーで焼け色を入れています。

どっしりとした佇まいにも、どこか賑やかさがあります。破壊力抜群の50口径マシンガンはまさに『豪快な老兵』と呼ぶに相応しいでしょう。
そして前回の◆RX−7より採用したベースの『シタデル芝』がチート兵器すぎて・・・。非常に便利なのである意味本当に『ジオラマモデラー殺し』な素材でしょうね。

M63AAのグリップです。ここは金型の都合上かまぼこ状となっていました。それを一度削り落とし、アルミ板を曲げた物を加工して貼っています。
これだけで精密感がグっと良くなります。

チェーン、フック、金属ピンなどを追加。金色が塗装前の真鍮線に置き換えた部分です。パイプ状の一部フックはアルミ板を曲げて製作しました。

M63AAの中央部分は一番オミットが激しい部分です。(これは現地改修などの個体差もあるかもしれませんが)とりあえずロックハンドルとネジ類を追加、パイプ脚の下にある蒲鉾状の突起は本来、ベルトやフックを引っかけるリングとなっているので、これを真鍮線に置き換え。
ハンドルは1.4mm真鍮パイプの横っ腹に垂直に1oの穴を開けて、『真鍮パイプねぎま』にしています。

塗装前の全体像です。金属に置き換えた部分が一目瞭然です。キャリングハンドルなんかは細さが如実に出るので改造ポイントとしてはやる価値が高いです。
リトルアーモリーシリーズより、M2重機関銃と、M63AAです。
基本的にはキットをそのままに、金属パーツの自作をメインにディティールアップしています。
世界中にかなりの個体数がある銃なので、民生品などで個体差がある場合も多く、これ自体は自衛隊小松基地にある個体を再現しつつ、それ以上にウェザリングを派手に入れて、歴史の長さを表現しました。
基本的に成形素材がABS、弾薬が柔軟素材(たぶんソフビ)なので、塗装には塗料を選び、また、割れ対応などちょっと面倒な部分が多いです。
特に、エナメル塗料によるスミ入れ・ウェザリングは非常にやりたいところですが、やむなくアルコール系とアクリル系で行っています。
特にM63AAはディティールアップしてやると急激に化ける部分なのでお薦めです。
ベースはいつもの通り、木材に石粉粘土を貼り付ける当店が得意とする方法です。
これにより前作の◆M134ミニガンともシリーズの共通化を図っています。
また、サビのウェザリングは、ラッカーの上に重ね吹きしたラッカーの表層だけを剥がすという当店のちょっとした企業秘密な方法で、塗装ハゲを再現しています。
弾はソフビカラーで塗装。弾の質感・木製グリップの質感・サビや泥のウェザリング・複数の金属の塗り分け・金属焼けなど、様々な質感を凝縮できたため、思いの外賑やかな作品となったのは、気に入る点ですね。
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