ノンスケールスクラッチビルド

仮設トイレ

全高40cm強。かなり大きいです。
実際これは展示会場などに見に来ていただいたお客様に「あるある」といわせるネタとして作っています。
そのため、おおよそのバランス感覚を優先し、大きさはかなり適当です。
これは1/6~1/8の高級フィギュアや大型バイクモデルとスケールを合わせる目的もありました。
どちらと組み合わせても遊べる仕様となっています。

もちろんドアは可動により開閉可能です。

トイレマークは水転写でカールで再現。
ドアなどのトラスはプラ板の切抜きを貼り付けています。

昨今ではほとんど見なくなった排気用の風車です。汲み取り式トイレにはまだあり、しかも実際に電動みたいですね。もちろん本物の仮設トイレの風車は電動などではないですが・・・

ちなみに、今回の仮設トイレは汲み取り便層があるタイプですね。後部に汲み取り用のキャップがついてて突き出ているタイプはたまに見かけます。

ちなみにこの汲み取り層のキャップ、スライドスイッチになっており電源ON・OFFが可能です。

電源を入れると単三電池2本で風車が勢いよく回ります。小型モーターを使ったのですが少々うるさいですね。
なお、風車という特性を利用し風が流れるように設計しました。このため、前回の◆RAH-66コマンチ の様に、モーターが展示中に熱ダレを起こすのを防いでいます。

排気塔の固定ボルトです。このトイレ、各壁がマグネットで自由に外すことができ、カットモデル(悪く言うと昨今の3Dエロゲでよくある壁透視視点)を自由に再現することが可能です。
そのため、固定ボルトはマグネットで固定・取り外し出来る仕様としました。

内ノブは簡易的なスライドロックです。ですがもちろん差し替えなしで可動します。パーツは擬似メッキシルバーとしました。

ドアの厚みがあり、非常に見えづらくなってしまったのですが、ロックされると鍵の部分が外からでは赤い表示に切り替わります。

先ほど説明させていただいたとおり、壁は一枚一枚、個別に取り付け・取り外しが可能です。
また、壁は特定の場所・向きでしか固定できないようになっており、間違える事がありません。
また、完全に組み立てた状態では、ネオジムマグネットは完全に格納され、目視できないよう隠蔽されます。

トイレは半ドーム形の部分のみ、過去に作ったトイレのレジン型より複製。ただし今回はかなり大規模な設計変更があったため、大きさを拡張するなど、かなり改造を加えています。
下半分に至っては完全にプラ板とエポパテによるスクラッチです。
トイレの汚し塗装自体はかなり派手に行いました。

ペーパーホルダーです。ホルダーもプラ板擬似メッキ塗装をしています。トイレットペーパーは実際のトイレットペーパーを使用していますが、トイレットペーパーをこの形にするのが実は一番大変だったかもしれないですね。

通風ダクトと掲示物です。現在は風車よりもこのダクトだけがあるものが主流みたいですね。ダクトの開閉スイッチはダミーですが、電飾用のナイロンスイッチを流用しました。
掲示物はあまりセンスの無い事務的なものを作ってリアリティを出しました。
貼り付けにはセロファンテープを短冊状に細かく切ったもの使用しています。

天井は実物でもある様に、未塗装のプラ板一枚の天井としました。こうすることで日中は野外の光が室内に入るため明るいというよくある仕様ですね。
ただ、室内展示だとやはり、相当強い照明で照らさないと中は真っ暗なままです。太陽の力はやっぱり恐るべし。ただし太陽光線を浴びせると塗装が日焼けしてしまうので、ちょっとそれは控えました。

天井です。こちらも外せます。0.5mmの白プラ板一枚です。
白プラ板を成型色のまま使うという行為を初めてゆったかもしれませんね。

1.6ℓペットボトルやタミヤセメントの瓶と比較。こうしてみると大きさを理解していただけるかと思います。
「こんなデカいのどうするんだよ?」と思われるかもしれませんが、壁を全部分解できるので収納では意外と場所を取りません。
今回は、主に2mmプラボードを使用した仮設トイレの箱組みスクラッチです。私もこの仕事を始める前、ガードマンだった時代にはずいぶんお世話になりました。
今回はどこかの製品を完全再現というよりは、オリジナルで設計しています。
また、コンプライアンスであまり深くは言及できないのですが、過去にトイレをスクラッチするご依頼があり、その時の作品が我ながらかなりの秀作で、「嫁に出すのがもったいない程」と感じていたので、当時のクオリティを越えるべくまた新たに設計・製作したという経緯もあります。
そのため、当時の設計とは完全に違う作風となり、ギミックも大幅に追加されました。
実はこの作品、まだ隠されたギミックがあるのですが、それはそのうち・・・。
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