イタレリ 1/48
RAH-66 COMANCHE  -コマンチ-

以前製作したRX-7同様に、ベースを巨大な電池ボックスにしています。
各部電飾や、ローターはミッションや状況に合わせた独自点灯が可能です。
また、あえてフェンスを飛び越えさせることによって飛翔感を出しました。

写真では結構早く見えるローター。実は展示会でモーターに無理をさせすぎたらしく、熱損耗によるものか速度が低下気味に・・・。

今回最大のポイントは何と言っても電飾以外に『電動』を加えた点です。メインローターはミニ四駆(のパチモノ)のモーターで回転させています。
ファンテイルも3V極小モーターで回転します。
また、メインローター・ファンテイルは連動し、ダイヤルでトルクも調整できます。(そもそも電気抵抗が強すぎて、ほとんどトルク調整は意味がなかったですが。)

コマンチのキット自体は1/72のイタレリさんのキット(こちらはウォーバードコレクションで比較的簡単に入手可能)をそのまま拡大したかの様なキットで、モールドは凹モールドではあるものの、最大で1mm弱はあろうかという激太モールドなので、全てパテで埋めて彫り直しています。
また、左右対称の張り合わせや、機体上面や側面のダクトなどもけっこうメチャクチャだったので、開口して修正しています。
特に側面エンジンフード下の排気ダクトは、実機同様に内部の排気ダクトをプラ板の箱組で追加しています。
また、機体上・下面の衝突防止灯は連動点滅としています。

HMDの発光は、ほんらいここまで強いものでは無いのでしょうが、前後共に発光します。

超小型モーターによる回転です。接着剤で固まってしまわないか心配でしたが、想像以上にうまくいきました。
また、追突防止灯は点滅と常時発光をボタン一つで切り替える回路を組もうと思い成功したものの、「その回路の組み方では燃えるぞ」と言われたので、やむなく点滅オンリーとしています。

ヘルファイアミサイルはエデュアルド・ブラッシングさんのディティールアップパーツに変更。これがかなりの情報密度ですが、同時に単純な作業量が半端じゃない代物でした。
その分シーカーがクリアパーツになったり、羽がエッチングになったりと、手間をかけた甲斐はありました。
塗装すると情報量で周囲との違和感も無くなりました。

スティンガーの発射機はプラ棒とプラ板によるスクラッチ。しかし当たり前に「ベイハッチが閉まらないのでは?」と思っていたら後から知ったのですが、コマンチ用のスティンガーの発射機は専用のものが開発され使用されていたみたいです。そりゃそうですよね・・・。しかしとにかく資料がなかったのでご勘弁を・・・。
ちなみにこのスティンガーの発射機はアパッチなどで使用されているものを製作しました。

ガトリングはキットのものがひどすぎたので真鍮パイプで新規作成。横回転はもちろん、ボールジョイントを組み込んでおり、後ハメ加工化&砲身が可動します。
また、赤外線カメラ・レーダーは上の物のみ可動だったのですが、下の『そろばんの球型』のレーダーはボディと一体化しており、モナカ状態でした。
しかもセンサー部分の形状が全く左右非対称という酷い有様でした。
ここを切り落とし、レーダーユニットはロールゲージで自作しました。
また、センサー部分はOHPフィルムでクリアーパーツを新造。クリアーゴールドを吹いて質感を出しています。

コマンチと言えばスタブウィングの増設により、ミッションによって偵察・攻撃を使い分けます。キットではスタブウィングとウェポンベイはそもそも選択式だったのですが、スタブウィングは取り付け位置のメンテナンスハッチでボディを切断。メンテナンスハッチと同型のフタをプラ板で複製することにより、差し替えで偵察型・攻撃型を変更可能です。
スタブウィングはマグネットと真鍮線の二段構えで固定しています。
ベイハッチも選択式だったのですが、これはフタをレジン複製し、差し替えとしています。
完成後も全4パターンの再現が差し替えで可能です。

ステレオ用のボリュームをとりつけ、モーター回転数はメインローターとファンテイルが連動して速度調整可能ですが、ちょっと絞るだけで強い抵抗により止まってしまうため、ほんの微々たる差しか発生できていません。
フェンスはハセガワさんのモデリングメッシュを2枚ほぼそのまま貼って使うという贅沢仕様です。
こんなにお金を使わずとも他に方法がなかったものか?
有刺鉄線はリード線の中身です。

今回、タイトルはデカールではなく、マスキングシートの切り抜きによるステンシル塗装です。
また、樹は『松の木』にしようと、歯間ブラシを大量に使用してみたのですが、意外と金額の割に効果が出せず、あの樹一本で中型マスターグレードが1箱買えてしまう金額となり、非常にコストパフォーマンスが悪いです。しかも金額と手間の割に、すきっ歯でそれらしく見えないという弱点が・・・。
多分ご依頼でどうしても作るという場合を除いて2度とこの方法はしないと思います。
イタレリさんの1/48 RAH-66COMANCHEです。
アパッチの後発で、アパッチとのハイローミックス配備を前提として開発されていましたが、開発の遅延と、UAVの台頭により、プロトタイプが2機開発されただけで開発中止になったそうです。
今ではフォート・ラッカー基地に展示用が1機残っているだけらしく、非常に実機写真や資料がなく、恐らく作っている時間よりもネットで資料を集めている時間のほうが長いんじゃないかと思います。
プロトタイプは度重なる改良があったため、写真などの見た目も全く一定ではなく、「もう完全に実機同様に作るのは不可能」と考え、とりあえず2ndプロトをベースに、 『架空のJ国特殊部隊の実戦配備型』という仕様としています。
当初はやはり「飛んでる仕様で作ると柱などを立てて支える必要があり、これがかっこ悪い」と思っていたのですが、いかに『飛翔体』である事を認知させるために、柱を逆手に取って中に電線を通してローターを回転させるという手段に出ました。
また、人では越えられないフェンスを飛び越えさせることによって、飛行を印象づけさせています。

私自身、ヘリでは一番好きな機体だったもののマイナーが故に1/48ですが、それでもコマンチの最高峰キットを作り、また念願が一つ達成できました。
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